よくカリウムを多く含むキュウリなどを多くとると利尿作用(尿が多くでる)があり、その結果、浮腫み(むくみ)がとれるとの説明がされることがあります。
しかし・・それで本当に浮腫みがとれると実感しますか?
おそらく、それほど実感しないのではないでしょうか。
浮腫みの原因はたくさんあります。
腎臓が悪ければ勿論ですが、立ち仕事でも、デスクワークでも足が浮腫みます。
同じ姿勢を続けることがいけないですね。
そうすると、立ったり座ったりを繰り替えすことがいいですね。
あと、食べ物ですが、大事なことは、塩(塩化ナトリウム)を摂り過ぎないことです。
ナトリウムは水をひきつけます。
塩を摂りすぎると喉が渇く・・血管内水分がナトリウム過多になるため水をとって薄めようとの作用が働くからです。それで洗い流されればいいのですが、それでも過剰なナトリウムは血管と細胞の間の間質に貯まり、水をひき、浮腫みとなります。
浮腫む場所は重力がありますから、下腿(足)になります。
一晩寝た後は、重力が足に集中しませんから顔が浮腫んだりしますね。
その結果、浮腫む、体重が増える・・で問題だらけ。
過剰な塩分は少しづつしか腎臓から排泄されませんので、浮腫んだ後の処置(塩分を過剰に摂らない、浮腫み対策をしている)があっても数日間かかります。
フロセミドなどの医療用の利尿薬なら一気に尿を増やし浮腫みがとれますが、これは適応となる病態に限り処方されるものです。
あまり一気に水をひく(尿を増やす)と、電解質バランスが崩れ、特にK(カリウム)が下がります。
その結果、足のこむらがえり(攣り)が起こったりします。
では、利尿薬が適応とならない健常者ではどうしたらいいのか?
1)利尿作用があるカフェインを含むコーヒー、お茶、コーラを適量飲む、水分をきっちりと摂る
ただしカフェインを摂りすぎると、動悸、興奮、ふるえ、不安、不眠、吐き気が起こることがあります。
特にカフェインを多く含むエナジードリンクには気をつけたいものです。
1日のカフェイン量の上限は日本では明確に決められていませんが、カナダで
は400㎎(マグカップのコーヒー3杯)と決めているようです。
*妊婦さんは、その半分
また、コーラはいわゆるゼロ(カロリーゼロ)ならいいです。ゼロでない場合、大量の糖分が含まれており、長期間多く飲んでいると、糖尿病になるかもしれませんし、腎臓病になるかもしれませんので、ゼロを心がけたほうがいいです。
たまに・・は美味しいのでいいですね。
とすると、朝食時、昼食時に1杯程度飲んでおくのがいいですかね。
緑茶、ウーロン茶ならコーヒーよりカフェインが少ない、また胃を荒らす作用も少ないので、コーヒーよりいいかもしれません。
*カフェインはコーヒーの約1/3です。
こちらは代表的な飲み物のカフェイン量です。
食品名 |
カフェイン濃度 |
備考 |
カフェインを多く添加した清涼飲料水 |
32 ~300 mg/100 mL |
製品によって、カフェイン濃度、 内容量が異なる。 |
インスタントコーヒー (顆粒製品) |
1杯当たり80 mg |
2 g使用した場合 |
コーヒー(浸出液) |
60 mg/100 mL |
浸出法:コーヒー粉末10 g、熱湯150 mL |
紅茶(浸出液) |
30 mg/100 mL |
浸出法:茶5 g、熱湯360 mL、1.5~4 分 |
せん茶(浸出液) |
20 mg/100 mL |
浸出法:茶10 g、90℃430 mL、1 分 |
ほうじ茶(浸出液) |
20 mg/100 mL |
浸出法:茶15 g、90℃650 mL、0.5 分 |
ウーロン茶(浸出液) |
20 mg/100 mL |
浸出法:茶15 g、90℃650 mL、0.5 分 |
玄米茶(浸出液) |
10 mg/100 mL |
浸出法:茶15 g、90℃650 mL、0.5 分 |
カフェインを多く添加した清涼飲料水は、市販4製品の成分表示等(2017年5月29日、一般社団法人全国清涼飲料工業会調べ)コーヒー、インスタントコーヒー、紅茶、せん茶等は、文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より
あと、ただの炭酸水もいいかもしれません。炭酸は胃の動きを活発にさせる作用があり、その結果、水分を多く摂れる作用があり、利尿、尿を出す作用が見込めます。
それと、そもそも水分をきっちりと摂らないと、脱水になりますし、尿が出ない・・そうなると排泄されるべきものが体外に出ない、塩分も出ないため浮腫みがとれない、それが続けば腎臓が悪くなることもあるため、水分補給は重要です。
2)塩分(ナトリウム)を控える
塩気がないと料理もあまり美味しく感じない・・薄味に慣れていないとそうなります。
その場合は、ナトリウムを半減し、カリウムを配合している、「やさしお」などを使うのがいいでしょう。
また、食事の際にはカロリーだけでなく塩分量を意識するほうがいいです。
例えば、ポン酢から酢+ちょっとの醤油にすることでも、大きく塩分を減らせます。
その結果、体内の塩分が減れば、間質の水分も減り、浮腫みがとれ、体重も減ることになります。
追加ですが、お酒も適量に控えましょう。
お酒を飲みすぎると、どうしても翌日は浮腫みます。連日飲んでいると、その浮腫みがとれなく続いてしまいます。
どこかで休肝日をつくり、リセットしなきゃいけません。
まとめると・・
同じ姿勢でずっといない
水分をきっちりと摂る
塩分を過剰にとらない
塩分を控える
ことでしょうか。